k144 Personal Note

パーソナルノート・ライフログ、気の向くまま書き綴っています。

【技能検定】平成27年度技能検定、シーケンス制御実技試験、私はこう解いて合格した!

f:id:k-144:20160522152549j:plain

「技能検定」「シーケンス制御」の情報を探している人はけっこう多い

技能検定シーケンス制御受験の記事をいくつか投稿しているが、これに関する情報検索のヒット率が当ブログの中でもトップとなっている。

f:id:k-144:20161126114208j:plain

アクセス記録を確認すると関連情報を探している人はけっこう多い気がする。

二級合格体験をもとに、情報を探している人への手助けとなればと考え、私なりの解説をしてみたいと思う。

やはりネックとなるのが「実技試験」ではないだろうか。

昨年12月、受験直後に書き留めたメモが残っている。

f:id:k-144:20161126115522j:plain
f:id:k-144:20161126115533j:plain

このメモは出題された課題のポイントを書き殴ったもの。

このメモに基づいて忘れないうちに作成したラダーがこちら。
www.dropbox.com

〈記事の内容〉



私の場合、全体を5ブロックで構成

  1. 手動処理
  2. 自動処理
  3. パレット番号表示処理
  4. 異常処理
  5. 出力処理



手動処理

【手動の動作条件】

  • SS0:手動
  • PB2:左行→左端停止
  • PB3:右行→右端停止

【ラダー】
f:id:k-144:20161126161435j:plain

動作条件をそのままラダーに当てはめ、異常検出時に停止させる接点を追加する。

コンベアを動作させるリレーは直接駆動せず内部リレーで一旦受ける。これは手動と自動の制御を完全に分離させ、わかりやすくするために必要。


自動処理

自動の動きを作り込むのが一番大変かと思われるが、サイクル動作を体系的に区分けし、論理的な流れを組むことでわかりやすく構成することができる。

【自動の動作条件】

  • SS0:自動
  • PB2:パレット右端時サイクル起動→サイクル動作繰り返し
  • サイクル動作1:パレット左行→左端停止
  • サイクル動作2:1秒停止
  • サイクル動作3:パレット右行→右端停止
  • サイクル動作4:1秒停止
  • PB3:右端停止→サイクル動作終了

【ラダー】
f:id:k-144:20161126172829j:plain

起動条件をそのままラダーに当てはめ、異常検出時に停止させる接点を追加する。
サイクル中(内部リレー:MR2000)をセットし、サイクル変数(DM0)に#1をセットする。
これでサイクル動作が起動する。

①コンベア左行動作

  • サイクル変数:DM0=#1
  • 左端までコンベア動作、リレー駆動は手動同様内部リレーで一旦受ける。
  • 左端検出→1秒間のタイマを起動(KEYENCE応用命令のオンディレイタイマを使用)
  • 1秒タイムアップ→サイクル変数:DM0+1

②コンベア右行動作

  • サイクル変数:DM0=#2
  • 右端までコンベア動作、リレー駆動は手動同様内部リレーで一旦受ける。
  • 右端検出→1秒間のタイマを起動(KEYENCE応用命令のオンディレイタイマを使用)
  • 1秒タイムアップ→サイクル変数:DM0+1

③サイクル終了チェック

  • サイクル変数:DM0=#3
  • サイクル終了でなければ→サイクル変数:DM0=#1
  • サイクル終了なら→サイクル中リセット、サイクル終了リセット

※サイクル終了条件オン→サイクル終了セット

※異常検出→サイクル中リセット、サイクル終了リセット


スポンサードリンク


パレット番号表示処理

このブロックではデータ転送やBCD変換など、機種固有の命令を上手に活用して作り込む必要があると考えられるが、表示の仕方さえしっかりマスターしておけば問題なし。

【ラダー】
f:id:k-144:20161126190017j:plain

  • サイクル中:コンベア左端到達→パレット番号読み込み、格納→BCD変換→表示器へ出力
  • サイクル中:コンベア左端外れ→パレット番号左3bitシフト→BCD変換→表示器へ出力
  • サイクル中以外:「0」を表示器へ出力



異常処理

【異常検出条件】

  • PB5を押す
  • サイクル動作中:SS0→手動へ切り換え

【異常検出中の動作】

  • コンベア停止
  • PL4点灯
  • コンベア動作、サイクル起動しない

【異常検出解除条件

  • PB4を押す
  • PL4消灯

【ラダー】
f:id:k-144:20161126191432j:plain

異常検出条件、異常検出中の動作、異常検出解除条件をそのままラダーに当てはめる。


出力処理

【PL2出力条件】

  • コンベア手動左行
  • コンベア手動右行
  • サイクル中

【RY1出力条件】

  • コンベア手動左行
  • コンベア自動左行

【RY2出力条件】

  • コンベア手動右行
  • コンベア自動右行

【ラダー】
f:id:k-144:20161126192144j:plain

出力はメインとなる制御ブロックの中では直接制御せず、一旦内部リレーで受けるように作成する。
出力ブロックの中で各出力条件を並べ出力ポートをコントロールする。

構造は非常に簡単でわかりやすい。


あとがき

私は「なるべくシンプルにわかりやすく」をモットーにラダーを組むようにしている。

受験前の準備として当然検定盤は用意するのがベスト。
過去に出題された各課題のラダーを作り込み、検定盤を使ってしっかり検証しておく。検証済みのラダーを白紙の状態から作り込む作業を繰り返しやっておくことで、そのラダーを自分の物にする。

しっかり練習して準備万端で試験に臨もう!

この記事が、少しでも実技試験にチャレンジする人への手助けとなれば幸いです。

参考までに、過去3年分の試験問題を掲載している問題集を紹介しておきます。
私はこれらの問題集を利用して出題される試験問題の傾向を把握しておきました。
値段は少し高めですが、合格目指して技能検定に望むためには有効な投資だと思います。

58電気機器組立て (平成27・28・29年度1・2級技能検定試験問題集)

58電気機器組立て (平成27・28・29年度1・2級技能検定試験問題集)

関連記事

k144.hatenablog.com



スポンサードリンク

技能検定シーケンス制御、実技試験問題の傾向について(ペーパーテスト編)

f:id:k-144:20160522152549j:plain

技能検定シーケンス制御、実技試験ペーパーテスト問題の傾向(H22〜26年)

関連記事を幾つか投稿しましたが、「技能検定」「シーケンス制御」「問題」などのキーワード検索によるアクセス記録が見られます。

私も受験対策中はネット検索により情報収集していましたので、少なからず何らかの情報を求めている人はいるってことですね。

私の合格体験から、少しでもチャレンジしている方への情報提供になればと思い、実技試験問題の傾向について整理してみたいと思います。

〈記事の内容〉



試験問題の概要

1)試験時間:1時間
 問題数は4問、1問あたり15分の時間配分

2)使用可能な用具
 ・筆記用具
 ・電子式卓上計算機(プログラム機能付きを除く関数電卓可)
 ※電卓はほとんど必要ないが、
 PLCシステム仕様設計の問題で簡単な四則計算が必要。

3)問題数:4問
平成27年度の出題を始め、試験問題集を確認してみると、平成23年から平成26年まで傾向はすべて同じ。

  • 問題1:タイミングチャート
  • 問題2:LD、ST→FBD置換
  • 問題3:PLCシステム仕様設計
  • 問題4:LD→ST置換



問題1:タイミングチャート

ラダープログラムの動作を解析し、与えられた入力に対する出力をタイミングチャートにあらわす問題。入力が2〜3つ程度、出力が4〜5つ程度、タイマが組み入れられる問題もある。

私はこのタイミングチャートが苦手で、一番時間がかかることから、最後に余った時間で取り組むようにしていました。



問題2:LD・ST→FBD置換

ラダー図、構造化テキストをファンクションブロックダイアグラムに置き換える。

  • LD:ラダーダイアグラム

 PLCプログラムではお馴染みのもの

  • ST:構造化テキスト

 演算処理に適している
 Data4 = Data1 × Data2 - Data3 のような演算式

  • FBD:ファンクションブロックダイアグラム

 演算パラメーターと演算子の付いたボックスを線でつないで制御回路をあらわすもの

 論理演算子:AND(論理積)ラダーは直列回路
       OR(論理和)ラダーは並列回路
       NOT(否定)ラダーはb接点
 算術演算子:+(加算):ADD
       ー(減算): SUB
       ×(乗算):MUL
       ÷(除算):DIV

過去の出題では、これくらいの演算子を理解できていれば、だいたい解くことができると思います。

monoist.atmarkit.co.jp


スポンサードリンク


問題3:PLCシステム仕様設計

この問題は、2つの出題パターンが毎年交互に出題されているようである。

  • 3つの装置を2台のPLCで制御する

 →H27、H25、H23

  • ある装置を複数モジュールで構成されるPLCで制御する

 →H26、H24

問題の内容については、システム条件の数値や回答する項目などの違いはあるが、出題問題の構成要素はすべて同じ。



問題4:LD→ST置換

問題2と同系統の応用問題、ラダー図を構造化テキストに置き換える。

問題2と4は、ラダーを組んだことがあり、且つコンピュータープログラムのC言語などを経験したことがあれば理解しやすく、とても簡単な問題だと思います。



おわりに

私は、「雇用問題研究会」が発行している試験問題集

この2冊の書籍を購入して受験対策しました。

最新の問題集が発売されています。

58電気機器組立て (平成27・28・29年度1・2級技能検定試験問題集)

58電気機器組立て (平成27・28・29年度1・2級技能検定試験問題集)

学科、実技作業試験、実技ペーパーテストのすべての問題と回答が掲載されているので、これを一通りやっておくことでかなり自信がつくのではないでしょうか。

値段は少し高めですが、先行投資ということで持っている価値はあると思います。2級だけでなく1級の問題も掲載されていますので、今後ステップアップを考えている人にとってはさらに有効なものではないでしょうか。

解説付きが必要な場合はこのようなテキストも発行されています。

書籍代、受験料は決して安価なものではありません。
万全の体制と準備で試験に臨み、技能士の称号を獲得してゆきましょう。



関連記事

k144.hatenablog.com



スポンサードリンク

技能検定シーケンス制御2級合格!

f:id:k-144:20160522152549j:plain


平成27年度技能検定シーケンス制御結果出る

3月11日、2回目の挑戦となった技能検定の結果が発表となった。

結果は、みごと合格!

f:id:k-144:20160329095424j:plain

群馬県知事の大澤正明さまより合格通知をいただいた。

試験日程が公表されてから朝4時起きで頑張った甲斐があった。

「やればできる」

ここ数年、この歳で様々な取り組みの機会があるが、人生一生が勉強。

脳機能は退化しているかもしれないが、学び続けて行くことに意義があると感じる。

これからも自己研鑽に励みたい。

これらの機会を与えていただいている会社に改めて感謝したい。

f:id:k-144:20160329094813j:plain

58電気機器組立て (平成27・28・29年度1・2級技能検定試験問題集)

58電気機器組立て (平成27・28・29年度1・2級技能検定試験問題集)


合格証書交付

5月20日、合格証書が交付されました。

県の産業人材育成課というところへ行ってきました。
受付後必要書類と引き換えに交付され「もらいに来ました」という感じで、数分の出来事でした。

でも、係の人には「おめでとうございます」と言って手渡していただきました。ありがとうございました。

f:id:k-144:20160522154436j:plain

併せて、技能士章もいただきました。

f:id:k-144:20160522155205j:plain

これを励みに、これからも自分の仕事を通して社会貢献できるような行動をしてゆきたいと思います。



平成27年度技能検定シーケンス制御受験(ペーパーテスト編)

f:id:k-144:20160522152549j:plain

昨年12/18に行われた実技作業試験に続き、
2016年1/24に実施された実技ペーパテストを受験しました。

タイミングチャートの問題が予想以上に難しかった。
昨年の問題よりも難解だった気がする。

過去問題にも目を通しているが、ややこしさが増してはいないだろうか。

発表は3月11日。

さて結果はどう出るか。

平成27年度技能検定シーケンス制御受験

f:id:k-144:20160522152549j:plain

12/18に実施された実技試験の作業試験を受験しました。

  • 職種名:電気機器組立て
  • 作業名:シーケンス制御作業

昨年学科試験を合格したので、今回は「学科試験」免除で「実技試験」に再チャレンジすることになります。

作業試験ですが、昨年度は2月実施で今回も同時期との思い込みで、まだ受験モードではありませんでした。
受験票が届いて焦ったというのが実感です。

業務上の取り組みとしてトライしてはいますが、受験料自己負担のため今回は必ず物にしたいという思いが強くあります。

作業試験を終え、手応えはどうかというと、好感触(^^♪
かなりいいです。

まず、標準時間内にできたこと。

そして、出題された課題をクリアできたこと。
(自己評価では100%出題項目を網羅できたと思っています)

作業試験はたぶん行けるのではないでしょうか。

試験内容について

I/O割付表ですが、昨年はよく理解しないままやってしまったという経緯があります。配布される2枚のうち、1枚は割り付けする場所(順番)が指示されたもの、もう1枚は各人で使用するPLCに合わせて端子割り付けを記入するもの。

課題のプログラムですが、去年と異なる要素が必要とされる部分が2箇所あったと私は感じました。

  • 一つは「サイクル動作」の終了方法:パレット往復の繰り返し動作を「PB」を押すことで終了させる。
  • 二つ目は7セグメント表示:サイクル動作パレット左端到達でパレット番号を表示、右行開始し左端から外れたらパレット番号を3bit左シフトした値を表示する。

一つ目のサイクル動作終了方法は、サイクル繰り返しの応用として任意回数に対応できるような作りを考えていたのですが、少し手を加えて実現することができました。

二つ目のパレット番号左シフト、シフト命令は使用したことがなかったのですが、私が使用しているPLCはキーエンス社製で「KV STUDIO」というツールを使用します。KV STUDIOでは命令直接入力機能で命令語のアルファベットを入力すると候補が表示されてきます。今回は直感でシフトであれば「S」だろうと思い、Sを入力すると候補が出てくるので左シフトを選択し、パラメータも簡易的な説明が出てくるのでそれに従いシフト回数を入力し何とか使うことができました。

問題を想い出し、ラダープログラムを組んでみました。
kentei1218.pdf 直

2016年11月追記

上記ラダーの解説をした記事を投稿しました。
k144.hatenablog.com